アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜

「遥人さん?」

 思わず、足を止めかけていたようだ。

 梨花が自分の視線を追おうとする。

 慌てて歩き出しながら思う。

 どういうことだ、あのカピバラ〜っ!

 すぐさま、那智の携帯にかけてやろうかと思ったが、今、そういうわけにもいかない。

 あとで、トイレにでも行くふりをしてかけよう、と思いながら、今までの那智の行動を思い返していた。