北高に行くために、君は必死に戦っている。
勉強が楽しくなってきたとも言っている。
君のやる気を失うようなことはしたくない。邪魔は絶対したくない。
だから君への告白だって、受験が終わったらしようって決めたんだから。
でも……言わなきゃ。いつかはバレるんだから。
君には先に伝えなきゃ。
「あのね、よっくん! 私……」
「ほれ。元気出せよ」
思い切って私が口を開いた瞬間、
君は手のひらサイズの白い紙袋を突き出した。
「え? 何……これ」
「いーから」
口から白い息を吐きながら、君は目線をそらした。
私はがさりと手を震わせながら、それを開けた。