すきだから

「っていうか、最近変わったよね、香苗」

陽菜に指摘されて、ドキリと驚く。

今日は終業式。

ちょうど帰り支度をしていた所だった。
香苗はコートを羽織りカバンを肩にかけ、もうすでに帰る準備は万端である。

「変わった?どこが?」

教科書をカバンに詰めながら、陽菜に聞いた。

「なんとなくだけど、表情が明るくなったっていうか、前向きになったっていうか。千歳のおかげ?」

「そ、そう?あのね、千歳から言われてさ。もっと自信を持てって。で、あまりネガティブな事をなるべく考えないようにしたの。だからかな?」

「へえー。千歳、よく香苗の事分かってるじゃん。今の香苗すっごくいい感じだよ、笑うようになって前より可愛くなった。千歳は凄いね、そうやってアンタのいい所引き出してくれる。そんな人なかなかいないよ」

「そうだね、自分でもそう思う」

「で?まだ答えは出てないの?千歳とのこと」

その言葉に何も言えず、手が止まる。