――――週末。

指定された駅の入口で、約束した時間の5分前に着き、千歳を待っている。

手には教科書とノートが詰め込まれたカバン。
やたらと重くてカバンのひもが肩に食い込む。

雄太以外の男と学校のある日以外で会う事なんてなかったものだから、やけに緊張してしまう。
そわそわして、じっとしていられなかった。

千歳と制服じゃない格好で街を歩くんだから、みすぼらしい格好をしていたら千歳に申し訳ない。

そう思って、軽く化粧をしてちょっと小綺麗な服を着たりして。
いつも結んでいた髪も、今日は下ろしてみたり。

・・・って勉強するだけなのに、何やってんだろ私。

と軽く自問自答しながら、私は千歳を待った。