声をあげたのはクラス委員の加藤さん。

みんな梶谷さんの言葉をうのみにし過ぎだといった。

そもそも梶谷さんの話が本当かどうかわからない。だって証拠であるはずの録音を聞かせてくれなかった。普通なら聞かせるはず、梶谷さんの芝居だよ!

と、加藤さんはみんなに言ったけれど、ならどうして尾崎さんは学校を休んでいるのかと疑問に思う。

加藤さんの言葉に説得力はない。私たちの心はざわめいている。


ねえ梶谷さん、貴女の目的は何?私たちに犯人探しをするようにしむけて、自分では何もせずに私たちに沙耶の復讐をさせようとしているの?それって親友がすることじゃない。

綺麗ごとかもしれないけれど梶谷さんのやり方は汚い。

そう叫びたいけど貴女はもうここにはいない。このクラスではもう犯人捜しが始まっているのだから。

誰も止められない。


「そういう加藤が犯人じゃないのか?」


「何でよ、私は違う!」


「だって加藤、お前はバスケ部だったじゃん」


山本くんが加藤さんに詰め寄り疑いの目を向けた。

一人が向ければみんな向けてしまう。

流れに身をまかせて、自分が疑われないように。

加藤さんはバスケ部のキャプテンだった

今は引退しているけれどバスケが上手いなのは体育の授業でみんな知っている。バスケが大好きで、ストイックさがあるかもしれないけれど、決定だんに欠ける。


「誰も違う!」


沙耶と席が隣だった内海さんが涙目で私たちに訴えた。誰も違う、もうやめよう。疑いを向けあっても解決なんてしないと。


「そんな事できるるかよ!このまま何も無かったかのように受験できねぇよ!」


「俺たち男子はさっさと解決して受験に集中したいんだよ!」


「巻き込むなよな…」