はるくんと付き合っていた毎日。

たくさんのものがこわくて、そばにいても辛くて、悲しいことばかりが目立って。

どうしようもなく……苦しくて。



わたしは自分から今の関係を選んだ。

別れを、望んだはずなのに。

それなのに今、あの頃よりずっと、ずっと苦しい。



小さなことで楽しそうにしながら誰よりも先に話しかけてくれることはないし、彼の綺麗な顔が甘く綻んでいく瞬間を目にすることもない。

指先まで痺れるほど優しく響く笑い声を聞くことも、2度とない。

今のわたしは付き合う前と違って、彼の彼女という立場の幸福感を知っているというのに。



失ったそれらは、こんなにも愛おしいものだった。



その価値に今さら気づいたって遅いのに、わたしは後悔している。

とてもずるい、後悔を。



ねぇ、どうしてかな。

ただ君が好きなだけだったはずなのに、この恋はこんなところまで来ちゃったよ。



「はる、くん……っ」



────苦しいよ。