ある日。


フェンスの向こうから、ひとりのおじさんが話しかけて来た。


みんなお兄ちゃんなのに、その人だけおじさん。



『キミたち、何才?』



咄嗟に、隼人と凌空があたしの前で両手を広げて立ちはだかる。


知らない人に話しかけられた、という警戒心が芽生えたんだと思う。



『隼人と凌空は男の子なんだから、結良ちゃんを守るのよ』



隼人のママも、凌空のママもいつもそう言っていたから。


あたしも、ちょっと怖かった。



『あっはっはっは……』



そんな様子を見て、おじさんが人のよさそうな顔で豪快に笑った。