……後悔があるとすれば……。
「明日から俺、なにしていいか分かんないや」
「うん、あたしも……」
向かい合って笑いあうあたし達のこの先の進路は違う。
隼人は、プロ野球からスカウトされるかな。
幼稚園からずっと、当たり前のように隣にいられたこの関係は終わっちゃう。
「新チームのマネージャーでもするか、ははは……」
「あのっ……!!」
……だから、最後に言わせてください。
「あたし……っ、隼人のことが好きっ……」
幼なじみとしてなんかじゃなくて。
女の子として、隼人に胸を焦がしてる。
もう迷いのない確かな想い。
フラれたくせに、やっぱり自分の口からちゃんと言いたかったの。
夏が、終わったから……。
は……あっ……。
やっと、隼人に好きって言えたよ。
それはもう達成感。
胸がスッと晴れる。
スッキリして正面に顔を戻せば、あたしを見下ろす隼人は固まっていて。
「え……」
低い声がポツリと漏れた。
……あ。
そんな微妙な反応に、いまさら緊張で心臓が口から飛び出そうになる。
置かれた状況に耐えられなくて、
「そ、それだけっ……」
言い逃げしようと、会場の方へ行こうとしたとき。