「骨には異常なかった。ただ、今日無理したからしばらくは安静が必要だな」


「そうかー、じゃあ骨骨チップスでも持ってってやるか?骨を大事にしろよってことで」



具合が気になるのもホントだけど、結良とあのままなのも後味が悪くて。


隼人と一緒ならいつものノリで行けるだろうって思惑もあり、軽い口調で提案すると。



「じゃあ、持っていってくれよ」



……え。


一緒に行くだろうと思ってたのに、当てが外れ返す言葉を失う。



「じゃ、ランニングしてくる」



隼人はそれ以上何も言わず、陽の沈みかけたグラウンドに走りだした。


肩透かしを食らい、残されたその場でその姿を目で追う。


なんだよ。ケンカでもしたのか?


今日の今日で、俺ひとりじゃ行きにくいじゃんか。


でも隼人にそう宣言した以上行かないのも変で、俺は宣言通り部活が終わると骨骨チップスを買いに行った。





【帰りに寄ってもいい?】



家に行くときはいつも突然攻撃だった俺。


らしくないと思いながらも、断りのLINEを打つ。


立ち止まってずっとスマホを眺めていると、すぐに既読がつき、しばらくして返ってきたのは「OK」のスタンプ。


ヘンなウサギが躍りながらピースしている。



「はぁっ……」



まるで合否を待っていたかのように、スマホを握りしめて大きく息を吐いた。


怒ってねえか?


……このスタンプが結良の心情……ってのは都合よすぎる解釈だよな。


でも、そうでもしてポジティブにとらえないと、結良の家になんか行けない気がしたんだ。