腰を浮かせながら、同じように笑顔を作る。
罪悪感から、隼人がまともに見られない。
どうしてここにいるのが分かったの?
……凌空から……聞いた……?
「サンキュ。走りながら結良がここにいるのが見えたんだ」
「えっほんと?」
「コーナー曲がってる時に。やっぱコレ、目立つな」
そう言って自分のシャツを引っ張りながら笑ったけれど、すぐに顔をしかめる。
「足どうなんだよ」
「えっ……」
「さっき芳人から聞いてびっくりした」
隼人は足元にしゃがみ、大袈裟に巻かれた包帯を見てから、あたしの手の上に優しく手を重ねた。
「そんなにひどかったのかよ」
「た、大したことないの。これはちょっとオーバーに巻いてくれて……」
「気付けなくてごめんな」
なんで隼人が謝るの……。
ものすごく申し訳なさそうな表情を見せる隼人に、ぎゅうう……と胸が押しつぶされそうになった。
「痛かっただろ……?」
手のひらに伝わる温もりが、苦しいほど温かい。
「実行委員だからって、無理してたのか?」
隼人の優しさが……痛かった。
「今日も一日キツかっただろ」
だって、あたしは……。
「終わったらすぐ病院に行こうな」
……ごめんなさい。