――そして、体育祭当日。
「今日は思いっきり体育祭を楽しむぞーーーー!!!!」
クラスで作った円陣の中心で、凌空は声を張り上げた。
「オーーーッ!!!!」
「優勝目指して全力を尽くすぞーーーーー!!!」
「オーーーーッ!!!!」
心をひとつに揃えた声は、天高く青い空に溶けていく。
今までの頑張りが届いたのか、今日は梅雨のまっただ中とは思えないくらいの快晴に恵まれた。
気持ち良い風も吹いているし、絶好の体育祭日和。
「凌空の実行委員は名前だけだけどな」
「だなーーーっ」
円陣を解いた男子からは、張り切りすぎの凌空に突っ込みが入った。
「なにをーーーー!?」
そんな男子に、凌空が後ろから飛びかかる。
「ジョーダンだってば」
「凌空さまさまですから~」
そう言ってクラスの男子に囲まれる凌空が、実行委員として常にみんなを盛り上げようと頑張っていたのは、誰もが周知してること。
その功績は大きいし、そんな凌空のためにもみんな優勝するぞという気になっている。
転入して間もなかった凌空だったけど、この仕事のおかげで一気にクラスのムードメーカーにもなった。
あたしも凌空もハズレくじで任された実行委員だけど、結果オーライかな?
「あっ、そうだ」
隼人の所に行かないと。
あることを思いだして、隼人の姿を目視で探していると。