3人グループが厄介っていうのは知ってた。
2対1に分裂していく女子たちを今まで何度も見てきたし。
理由は単純。自分がひとりになりたくないから、どちらかを取りこむんだ。
ずっと沙月と仲良くしていたあたしには、今までこういう悩みは皆無だった。
ようやくその洗礼を受け、戸惑っているのもあるけど。
ただ3人だからうまくいかないんじゃなくて。
……花音ちゃんが、明らかにあたしを敵対しているような気がしてならないの。
理由はおそらく……"凌空の幼なじみ"というポジションが、面白くないから。
「……あたし……花音ちゃんによく思われてないかもしれない……」
今日は学校で凌空と喋っていたら、ものすごい形相であたしを見ている花音ちゃんと目が合った。
「凌空と幼なじみなのが、気に障るみたい……」
これはもう思い過ごしじゃない。
言いながら、膝の上に揃えた手が震えた。
「それに最近、沙月と花音ちゃんがどんどん仲良くなっていって……。最近忙しくて友達付き合いがちゃんと出来ないっていうか……そのうち、沙月まであたしのことキライに───」
「結良」
その上に、隼人の手が重なった。
気持ちが先走るあたしを止めるように。