"お揃いは、仲良しのしるし"
サブバッグだったり、キーホルダーだったり。
物を共有して、測る友情。
それは自分たちの満足度だけにとどまらず、あたしは○○ちゃんと親友なの!と、他の子にアピールをしたい心理も含まれているだろう。
いつか感じた疎外感が、大きくなって戻ってくる。
開いた花音ちゃんのペンケースには、沙月とのプリが貼ってあるのも見逃さなかった。
……ッ。
あたしはマネージャーを頑張ってるからいいの。
だから気にしないと強気でいたはずなのに、軽くショックを受けている自分に気づく。
シャーペンを握る手が、微かに震えた。
「色のバリエ結構あったから、結良もおそろにしようよ」
「……うん、そうだね……」
明るく提案する沙月の声に、なんとか頬をあげてみたけれど。
……どこからズレちゃったんだろう。
花音ちゃんが凌空とつき合い始めたころから……?
あたしがマネージャーを始めたころから……?
間違いなく今の3人の関係は、花音ちゃんを軸に回っていた――。