初めての遠征は、緊張しながらもしっかり自分の仕事が出来た。
サポートできたか自信はないけど、今あたしの出来ることは一生懸命やったつもり。
それも、ふたりが開いてくれたバーベキューのおかげ。
ふたりの言葉が、あたしの心にゆとりを持たせてくれたから。
自分に余裕がなくて、誰かのサポートなんて出来るわけないってことに改めて気づかされた週末だった。
「わー、それなんかキュンってきた!やっぱ持つべきものは幼なじみだねっ」
週明けのお昼休み、早速バーベキューのことを沙月と花音ちゃんに話していた。
あまりにも嬉しくて感動的な出来事だったから、ふたりにも聞いて欲しくて。
沙月は興奮気味に騒いでいたけど、反対に花音ちゃんは曇り顔。
「野球部の人とつき合ったら、デートなんて出来ないって聞いてたんだけど」
「えっ」
あたしの緩んでいた頬は凍りつき。
浮き足立っていた気持ちまで停止する。
夢にも思わなかった言葉に、動揺して。