「嫌なら、断ってくれてもいいからな」
夕飯を食べ終わった頃。
部活を終えた隼人から、【家に寄る】とLINEが来て。
凌空を引き連れてあたしの部屋にやって来たんだけど。
さっきから、このセリフの繰り返し。
凌空はあたしのベッドに寝転び、また漫画の続きを読んでいる。
「で、何を?」
断るもなにも、本題が見えないんだからどうしようもない。
そんな風に連呼されると、よっぽど恐ろしい要求なのかなって不安でしょうがないんだけど。
「実はさ、仁藤の体調がよくないらしくて、しばらく入院することになったんだ」
「えっ!?仁藤くんが!?」
仁藤(ニトウ)くんというのは、野球部に居るただひとりの3年生マネージャー。
入院だなんて心配で、声が上ずった。