つい一昨日、関東大会が終わった。
結果は準優勝。ベスト4入りした去年より、一段階上がった。
だけど少しも喜べない。
桜宮に勝てなかったからだ。
大会を通して調子も良く、いつも通りに試合に臨めた。
初めて公式戦に臨んだ凌空も、いい働きをして結果を残した。
そして決勝戦。
順当に勝ち進んだ桜宮との一戦は願ってもなく、県大会の借りを返す絶好のチャンスだったのに。
俺の1球に泣いた。
「失投じゃなかったと思うぜ」
肩に乗った凌空の手が、2.3度動く。
「勝負した結果なら仕方ねえだろ」
クソッ……。
樋口にはどうしたって勝てねえ。
"いつも通り"じゃ駄目なんだってことを思い知らされた。
このままいったら、夏の結果だって目に見えてるも同然だろうよ。
なにが足りないんだ……。
「悔やんでる暇があったら、どうやったら勝てるか瞑想でもした方が100倍マシだろうなー」
乗せられた手に、グッと力が入った。