凌空とキスした、なんて。
その相手は、隼人のよく知ってる人なのに。
「ほんとに、手塚と……?」
だけど隼人の頭の中には、凌空と花音ちゃんの話の方がインパクトがあったみたいで。
険しい顔で、ジッと何かを考えるように言葉を落とした。
「え…?あ、うん、そうみたい……」
……そっち?
あたしが凌空とキスしてたことより、花音ちゃんとつき合ったことの方が衝撃だった……?
「凌空もやるよねっ、あんなにかわいい子をゲットして」
「……」
当然のように言ったあたしに、隼人は腑に落ちないような顔で、凌空の消えた先を見つめていた。