「えっ……」



日本で高校野球がやりたい……?


胸が微かに震えた。



「小さいころから憧れてた青翔学園で甲子園に出る……って、聞かなかったみたいなのよ」



お母さんは、凌空のお母さんの心情に寄り添うように、切なそうな顔をする。



凌空は、野球をやるために日本に帰ってきたの?


甲子園のために、家族と離れてまで?


驚きを隠せないでいるあたしに、続けてお母さんの言葉が届く。



「凌空は高校3年間のうちに、絶対に青翔を甲子園に出場させなきゃいけないんだってずっと言ってたみたい。

去年の夏、青翔が甲子園出場を逃したことで帰国の想いが固まったらしいの。

自分も青翔野球部員として、甲子園を目指すんだ…って」