それから数日たって。


夕飯を食べ終わってリビングで寛いでいると、外から大きな音が聞こえた。


音っていうより、それは話声で。



「……なんだろ」



気になってカーテンをチラリとめくると、向かいの玄関先で人影が動いていた。


それは、隼人と凌空で。
何かもめてる様子。


何事かと、あたしは外へ飛び出した。



「どうしたの?」



あたしの姿に驚いた様なふたりだったけど、その隙に凌空が玄関から外へと出る。


向かったのは凌空の家。



「待てって」



声を掛けた隼人と一緒に追いかけると、凌空は玄関にカギを差し込んだ。


手には、大荷物。



「なにこれ。どうしたの?」



凌空に尋ねると、隼人が答えた。



「自分ちに戻るって」


「えっ?そうなの?だって、おばさんたちが帰ってくるまで隼人の家にいるんじゃ……」


「だったはずなんだけど、急に」