ホッと一安心出来ると思った胸は、意外にもまだざわついていて。



「そ、そうなんだ…」



ストローを口に含み、喉を通る冷たさにと共に生まれる胸のつかえ。


……なんでなんだろう。



「結良ちゃん幼なじみだし、色々協力してくれるとうれしいな」


「えっ?う、うん」



そうだよね。

凌空のことなら、よく知ってるし。


……うん。


隼人じゃなくて、良かった。


隼人を好きだと言われたら、これからどうやって花音ちゃんと接すればいいのか困ったから。



だけど。


なんだか胸の中がスッキリしないの。


霧がかったように、モヤモヤしてる……。



『……気になってる、凌空くんのコト』


あたしは意味もなく、花音ちゃんの言葉を心の中で繰り返した。