「ちょっと気になってる……
凌空くんのコト……」
「……。
えぇっ……!?」
持っていたグラスを、そのまま机にバン!と置いてしまった。
勢いがよすぎて、一瞬辺りがシンとなる。
周りを見ると、視線を一身に集めていて。
「あ、ゴメン…」
身を屈める。
そして、一呼吸おいてから。
「凌空……?」
もう一度聞き返す。
……隼人、じゃなくて?
てっきり隼人の名前が出ると思ってたから、それはある意味衝撃だった。
「うん……。明るくて、気遣いのできる優しいとことか……」
頬を赤らめる花音ちゃんの言葉に、ウソはなさそうで。
凌空がノーマークだったわけじゃないけど、あの流れからすると9割方隼人を好きなのかと思ったから。
そっか、そっか……。
だったら、凌空の帽子をかぶせられてイヤなはずないか。