「生き返るね~」


「だねー」



氷の入ったグラスの中身を、勢いよく喉に流し込むあたしたち。


暑かったのは、球場だけじゃなかったみたい。


ガラス越しに街を歩いている人たちの多くも袖をまくっている。


4月でこんな暑いなんて、やっぱり異常気象だ。



「今日はほんとに楽しかった。声かけてくれてありがとう。次も行きたいな」



正面で可愛らしくストローを咥える花音ちゃんを見ながら思い返すのは、さっきの違和感。


隼人を追う、どこか、想いを込めたような瞳……。



「それは、良かった……」



野球を見て楽しめたのなら嬉しいけど。



次も行きたいのは……それは隼人を見るために……?


もしかして、花音ちゃんの好きな人、隼人なんてことないよね……?


どこかにヒントが落とされていないかと、表情を伺う。