「だってプール焼けよりも、幸せ焼けの方が魅力的に聞こえるでしょ?」
「ははっ、そうかもねっ」
そんな会話をしながら歩いていると、球場が見えてきた。
外の広場で、青翔のメンバーが溜まっているのも見えた。
白地に黒の縦じまのユニフォームは、スタイリッシュでとても目立つ。
「よう!結良」
あたしに気づいた凌空が駆け寄ってくる。
───ドクンッ。
『あとで俺から言っとく』
隼人は付き合ってること、もう言ったのかな?
あれから約2週間。凌空に会うたび落ち着かない。
今日もいつもと変わらない凌空に、まだ言っていないのだとどこか安堵しながらも、
「俺ら3塁側だから、入り口はあっちな!」
元気よく近くの入り口を指さした凌空に、あたしは首を傾げた。