えへっと笑うあたしは、こんな照れくさい話も、花音ちゃんになら自然に出来るようになっていた。


いまではお昼はもちろん普段の行動も、沙月を含めて3人で安定している。



「じゃあ、スタンド焼けじゃなくて、幸せ焼けだねっ」


「なにそれ~」



おかしなネーミングに笑う。


幸せ焼け……か。


うん。あたしは幸せなんだよね?


なのに、隼人を不安にさせてほんとどうしようもない。


急に手を握って来たり、急にキスして来たりっていう行動も、気持ちの揺れが隼人にも伝わっちゃってるから。


全部あたしが悪いんだ……。



あの日は、ほんとに嬉しかった。


『一緒に行こうな、甲子園』


そう言ってくれたこと。


だから、あたしは隼人だけを見つめるの。


あたしに『最高の甲子園を見せてやる』と言ってくれた隼人だけを。


ゆっくりゆっくり、自分の気持ちを育てていくんだ。