凌空が帰って来てから、あたしおかしいよ……。


凌空と顔を合わせるたびに。


ふたりきりになるたびに。


視界に入るたびに。


胸がドクンって、波打つの……。




この音が、トキメキの音なの……?


だったら、あたしは凌空に恋してるの……?



そう思った瞬間、視界に隼人が映り込んだ。


課題を写している凌空の頭をわさわさと撫でる姿。




ドクンッ。


またひとつ、胸が鳴った。



……この音の正体はすぐにわかる。


隼人へ100%の想いを向けられず、自分でも不透明な想いを凌空に抱いている申し訳なさだった───