花音ちゃんが恋愛観を口にするたび、あたしの胸はチクチクと痛んだ。


まるで、あたしに言われているようで。



あたしは……隼人にトキメいたことがあった?


そもそも……トキメキって、なに……?



「語るね~。花音ちゃんって結構ガツガツ行くタイプ?見かけによらず肉食系!?」


「えー!?肉食系って……なんかやだあ~」



きゃっきゃとはしゃぐ沙月と花音ちゃんに、あたしは曖昧な相槌だけを残して、教室内に目を泳がせた。





ドクンッ……。



そんな胸の鼓動と共に、あたしの視線が止まったのは。


真剣にプリントに向き合っている凌空の横顔だった。