思えば、隼人と手を繋ぐなんて、今まであったかな……。


休みの日は部活で忙しいから、デートらしいデートなんてしたことないし。


放課後も一緒に帰るなんてない。


家は行き来しても、そこに手を繋ぐという必然性が見当つからなくて。



「どした?」



凌空に、顔を覗き込まれた。



「えっ!?」


「なんか急に黙っちゃって」



やばい。


さっきまでテンションあがってたくせに、不自然すぎたよね。


昔から鋭い凌空はそんなあたしを見逃すはずもなく、眉を寄せる。