あたしの問いかけに、凌空が吹き出す。
「えっ、そうなの!?」
リトルリーグ時代から、2人とも坊主だったし、あたしの中でそれは当たり前だった。
甲子園に出場してる人たちも、ほとんどが坊主だし。
「現実問題、髪型気にしてたら野球はできねえしな」
そう言う凌空は、アメリカではこの髪型で野球をやっていたわけで、なんの説得力もないんだけど。
「まー、隼人くらいでいいならやってやるか」
それでも少し惜しそうに、汗でぬれた毛先をつまむと。
「いや、凌空は1年目だから、1ミリバリカンだな」
「はっ!?1ミリ!?それって反省坊主じゃね!?」