徒歩１０分で家につくあたしたちは、帰り道が惜しいわけでもなく。


隼人の部活が終わるのを待っていて、一緒に帰るということをしたことがない。


家は目の前だし、帰ってからいくらでも会おうと思えば会えるから。


実際、しょっちゅう互いの家を行き来してるし。



「う、うん……」



でも、断る理由もなくそう言ったけど。



……必然的に凌空も一緒になるんじゃないかと思った。


同じ方向に帰る凌空と隼人が、別々に帰るとも思えないし。



少なくとも、凌空はそのつもりだろう。


隼人も、それを前提で声を掛けたのかな？



だとしたら、幼なじみとしてあたしに言ったの？

それとも、彼女として……？


わからないあたしは、軽く考えてしまった。