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───カキーン……。


白球が、青い空に高く舞いあがる。



いつも遊んでいる公園のすぐとなりで、お兄さんたちが野球をしている。


"こうしえん"に行くために。


その様子を、緑のフェンス越しからかじりつくようにのぞく5歳のあたしたち。


隼人、あたし、凌空の順にならんで。




『行きたいなあ、こうしえん……』



あたしがそうつぶやくと。



『ぼくが結良ちゃんをこうしえんに連れて行ってあげる!』



隼人が力強く言う。