「まだ時差ボケしてんだよなー」


「時差ボケ?」


「そー。これでも一応アメリカ帰りだから」



得意そうに言い訳する凌空が、朝は弱いのをあたしは知ってる。


到底、人のことは言えないんだけども……。



「ふふふ。それもいつまで使えるんだろうね」



笑い返して、学校へ向かって歩き出すあたしたち。


小学校の頃は一緒に学校も行っていたけど、久々すぎてなんだか照れくさいよ。


お互いの歩幅もわからないから、なんとなくぎこちない。




……いつの間にか、凌空の家は通り過ぎていた。


凌空の家なんて、もう見る必要ない。


凌空は、となりにいるんだから……。