明日香ちゃんはあからさまに残念がるけど。
あたしは聞きたかったような、聞きたくなかったような。
ホッとしたような残念の様な気持ちで、ふと視線をずらすと。
「……っ」
真顔の隼人と目が合った。
でもその直後。
サッと視線を逸らされた。
「凌空なんかのどこがいいんだよ」
なんて笑いながら、
「明日香の大好きなイチゴが全部凌空に食われるぞ」
お喋りに夢中な明日香ちゃんの為に、イチゴを分けてあげてる。
「……っ、」
今のは、なに?
いつからあたしを見てたの……?
隼人には凌空にキスされたことを言ってない。
5年もの間、秘密にしている。
……だって……言えないよ…………。
隼人、あたし、凌空。
3人をカタチどるトライアングル。
ふたたび動き出した時間は、
少しずつ、何かを狂わせていく───。