だけど、前みたいな苦しい表情じゃない朝比奈先輩に。 少し頬の赤い朝比奈先輩に。 これはただの照れ隠しだなって、都合のいい想像をしてもいいですか…? 季節は冬になり始めている。 少し冷たい風に寒くて肩をすくめたら、朝比奈先輩が自分の着ていたブレザーを肩からかけてくれた。 それだけでも私は浮かれてしまうのに、 「…次の日曜日、空けといて」 こっちを見ないままそんなことを言う朝比奈先輩に、緩む頬を抑えられるはずなんてない。