「諦めて俺にするっていう選択肢はないの?」




「っ…ない、よ」







そう言ってうつむいた瞬間。





「小日向」




後ろから呼ばれた名前。

振り返らなくても分かるくらい、大好きな声。



後ろを向くと、朝比奈先輩。



1ヶ月会ってなくても、気持ちは変わることはないんだって、朝比奈先輩の顔を見たら実感させられた。



頭では諦めたいと思っているのに、悔しいくらいに胸が締め付ける。





「朝比奈…先輩」