ウィラハム王国の最東端にある小さな町、ユーネリア。

漁業の盛んなこの町は、朝早くから活気付く。
午前中にはその日捕れた魚介を求めて、遠くの大きな街からも買い付けに沢山の人が訪れる。

夕刻間近になると、ある場所を除いて今までの活気は嘘のように町は静かになる。
周りがその日の営業を終わろうとしている頃、一つの店に明かりが灯った。

そこはユーネリア唯一の酒場。

そこの店主は女で、この町で生まれ育った者ではなかった。

3年前ふらりとこの町に来ると、以前この酒場を切り盛りしていた前の店主から引き継いで、そこからその
女が切り盛りするようになる。