斬られる!!

・・・そう覚悟したのだが、一向に剣は振り下ろされない。

ディルは鋭い目で二人を見ていたが、その視線をそらすと、かまえていた剣をゆっくりと背中の鞘に戻した。

「・・・今回は見逃してやる。だが次はない。」

そう言うと、くるっと扉の方を向いて歩いていく。
ほっとするリム。

覚悟はしていたが、足はがくがくと震えていた。
ディルは扉を開ける前に、一言こう呟いた。

「リリィ。もうお前を逃がしはしない」

そう言って、ディルは酒場から出て行った。