「サーシャ!!!!」

ガラン!と扉のベルが一際大きくなると、リムが息を切らしながら入ってきた。
リムは走って、サーシャとディルの間に入ってサーシャを守ろうとする。

「リム・・・!」

「サーシャに近づくな!」

リムはサーシャの前で、手を横に広げてディルに叫ぶ。

「・・・どけ。どかないと斬るぞ」
ディルは背中にある剣の柄を握り、剣を引き抜く。
鞘から刃が見えるときらりと光る。

リムはごくりと息を飲んだ。
だが、サーシャの前からどこうとはしなかった。

「どけ」

「き・・・斬るなら斬れ!だがサーシャは渡さない!!」

無言の攻防。
サーシャはリムの後ろでただ震えている。

じりっ、とディルはリムに近付く。
リムはぐっと目を閉じた。