「———おそれながら、四皇子様がたがお迎えあそばされた、日嗣の皇女におかれましては、いかがお過ごしで・・・?」

参議の者から、流れを変えるように、言葉が投げかけられる。


「まだこちらへお連れして、二十日足らず。異界との習慣の違いに戸惑っておいでのようですが、まことお健やかにお過ごしでいらっしゃる」
珀斗(はくと)がこたえる。


「たしかに番をお持ちなのでございましょうか?」

「真にございます」

「どのようなお姿で?」
矢継ぎ早に問いかけが飛ぶ。


「白い鳥の姿を」

皇女の番に、座がにわかに色めき立つ。
鳥とな、朱雀のような、瑞鳥ぞ、人々の口から言葉がもれる。


「朱雀ほど大きくはございませぬ、と申しておきましょうか。たおやかなお姿で、そうちょうど皇女のお心ばえのようにございます」
珀斗(はくと)はにこやかに一座の者に告げた。