「晴野さんにお願いしてここに来ました。大宮雷斗です!総長、俺を嵐鬼に入れてください!!」

 朔夜さんに頭をめいいっぱい下げる。

 でも、返事はなくて、部屋の中に流れている空気が変わっている。
 俺、何か間違ったこと言ったのか…?

「…よ~も~ぎ~!!!」

「あわわ…」

「お前!俺はまだ朔夜に総長譲った覚えはなねぇぞ!!!」

「いだだっご、ごめんなさいっ」

 突然怒鳴り始めたのは奥の1人掛けのソファに座ってた人で、その人はココアを飲んでほっと一息していたよもぎちゃんを捕まえて頭にグリグリしてた…。

 痛そう…。

 って、あれ、総長は譲ってない?
 つまり、朔夜さんはまだ総長じゃない!!?

「え、え?」

「…俺はまだ幹部でもない。強いて言うなら、次期総長だ」

「…」

 朔夜さんのあっさりとした答えに逆に頭がすっきりした…。

 じゃなくて!!