「…なぁ、蓬。依頼。追加していいか?」

「…なんですか?」

「親父に会いに行ってから、少し時間くれ。電話するから、その時間だけ俺にくれ」

「…うん」

 もう、待たせない。いや、待たせないってより自分もそろそろ堂々としたい。

 隣にいるのも、触れるのも、堂々としていたい。自分のだって、言えるように。

 蓬も分かったのか、ちょっとだけ恥ずかしそうにしてる気がする。今更何恥ずかしがってるんだか。

 緊張していても、眠気は来る。蓬の寝息を聞いているうちに俺の意識も沈んでいった。