「浩介、あの子と遊んでやれ」

「え?」

「可愛い女の子だ。優しくしたらモテモテになるかもしれねぇぞ」

「…?」

 モテモテってなんだ??でも、あの子と遊べばいいんだな!

 兄ちゃんに向かって頷いて、女の子のところに行く。

 近づいていくと、女の子を抱っこしてる人が気が付いて、女の子を降ろした。

「せいがにーに、だっこ!」

「ダメだ。お友達と遊んで来い」

 そういいながら指差されたのは、もちろんぼく。

 女の子はぼくを見ると、泣きそうな顔になった。

「やだ!!」

 はっきりとした声に、心の奥がもぞもぞする。怒ってるような、悲しいような。よく分からない。

 女の子は泣きだして抱っこしてくれていた人の足にしがみついた。

「よも、俺らここにいるから心配すんな」

「やぁだ!!」

 近くにいた誰かが声をかけても、女の子はヤダしか言わない。