「…え、いいのか!?」

 目を閉じたまま、こくこくと頷く蓬に顔が熱くなったのを自覚する。

 冗談で済ますつもりが…。蓬は恐る恐る目を開けて、俺を見てた。

「…ほんとにいいの?」

「…あ、あきくんなら、いいよ」

 蓬の方から手を握ってくる。そっと握り返せば、指を絡ませてくる。

 繋いでない方の手で蓬の頬を撫でて、そっと近づく。

 きゅっと手を握る手が力が入る。蓬が目を閉じて、頬を撫でた手を後頭部に回した。

 ただ、重ねただけなのに。

 離れた後どうしたらいいのかわからなくて、意味が分からなくて抱きしめた。で、また自分がやらかしたことに気づいたけど、結局抱きしめたまま。

「あ、あきくん…?」

「…絶対、告白する。だから、それまで、待ってて」

「…うん」

 今はそれしか言えなくて、フライングしたのはちょっとズルだ。