Ri.Night Ⅳ



「はいはいはーい!俺も行くー!」


「俺も俺もー!」


仲良く手を上げたのは陽と彼方。


そんな二人を見て何故か不安そうに顔を歪める壱さん。



「なんか心配だから俺も行くよ」



うん。壱さんの気持ち分かる気がする。


あたしも壱さんが来てくれる方が安心するというかなんというか。



「じゃあ、行ってくるね!」


「あぁ。気をつけろよ?」


「了ー解!」



倉庫にお留守番の十夜、煌、中田に手を振り、あたし達四人はその場から走り出した。



「なぁ、りっちゃん」


「何?」


「これ、明らか上に上がってるよね?」


「うん、そうだよ?だって此処から入って来たんだもん」



目の前にあるのは数時間前に入って来た屋上の扉。


相変わらず汚くて古い。



「凛音、お前一体何処から入ってきたんだよ?」


「えー、屋上から?」


そう言って扉に手をかけると……。


「ホラ!やっぱり開いてた!」


あたしが来た時のまま、鍵は開いていた。


「わぁー!」


扉を開けた瞬間飛び込んできたのは、空一面を覆い尽くす鮮やかな朱色。


上から下にかけての見事なグラデーションは思わず溜め息をつきたくなる程綺麗のものだった。