「はいはいはーい!俺も行くー!」
「俺も俺もー!」
仲良く手を上げたのは陽と彼方。
そんな二人を見て何故か不安そうに顔を歪める壱さん。
「なんか心配だから俺も行くよ」
うん。壱さんの気持ち分かる気がする。
あたしも壱さんが来てくれる方が安心するというかなんというか。
「じゃあ、行ってくるね!」
「あぁ。気をつけろよ?」
「了ー解!」
倉庫にお留守番の十夜、煌、中田に手を振り、あたし達四人はその場から走り出した。
「なぁ、りっちゃん」
「何?」
「これ、明らか上に上がってるよね?」
「うん、そうだよ?だって此処から入って来たんだもん」
目の前にあるのは数時間前に入って来た屋上の扉。
相変わらず汚くて古い。
「凛音、お前一体何処から入ってきたんだよ?」
「えー、屋上から?」
そう言って扉に手をかけると……。
「ホラ!やっぱり開いてた!」
あたしが来た時のまま、鍵は開いていた。
「わぁー!」
扉を開けた瞬間飛び込んできたのは、空一面を覆い尽くす鮮やかな朱色。
上から下にかけての見事なグラデーションは思わず溜め息をつきたくなる程綺麗のものだった。


