「おはよう、   」

「おはよう蛍っ!」


あの日から蛍はすっかり元気になった。


顔色が全然違う。


「行ってくるね、   」

「はーい、行ってらっしゃーい」


蛍を見えなくなるまでお見送りして、変な奴らがいないか確認する。


まあどうせお札効果でいないんだけど、一応。


で、一周したら。


「おはよう祓い屋さん!」


祓い屋さん家へ、最短距離で行く。


使ってる部屋は分かってるから、門をすり抜け壁をすり抜けしてまっすぐ行って、叩き起こす。


「祓い屋さん祓い屋さん!」

「うるさい馬鹿幽霊……」

「お、は、よ、う!」


耳元で騒ぐのはもちろんわざとだ。


「おはよう早く帰れ、てか起こしに来るな」

「えー、つれないなあ」

「まだ眠いんだよ……」


これでもちゃんと予定を確認しているので、徹夜した日などは放っておいている。


今日は起こしても大丈夫な日だから、気にせず話しかける。


「起きて起きて、朝だよ!」

「んー」

「散歩行こうよーねえねえ散歩行こうよー」

「んー」

「起きてよー、ねえってば」

「んー」


格闘すること、十五分。


渋々覚醒した祓い屋さんに散々罵られた。


まあ気にすることでもない。