「……う」


まぶしさに目を覚ましたときにはもう、体が透けていた。


特に感慨は浮かばず、わたしは死んだんだな、と他人事のように認識した。


珍しさに、一通り、じっくりしっかり自分の体を見てみる。


うん、透けてる。足がない。それとなぜか髪が白い。


幽霊だからだろうか。髪が白いなんて幽霊の特徴、聞いたことないけどなあ。


不思議に思うも、白いわけは全然分からなかったので、自分が「乙女なのに白髪(しらが)である」という事実は気にしないことにした。


若白髪はお金持ちの証拠って言うじゃないか。大丈夫、まだおばさんって年じゃないさ。


自分を懸命に慰めて鼓舞するのは少し切ないけど、気にしない気にしない。


ちなみに、下に見える結構グロい現場に、生前のわたしの体が出血多量で青白く横たわっている。


ふむ、と頷きを一つ。


どうやらわたし、幽霊になっちゃったみたいです。