「こんの、ばか蛍があ! 何やってんのばかたれ!  絶対絶対、詐欺でしょうが!!」


蛍は弱って困って、自称霊能者とかいう人を招くようになってしまった。


わたしを思い出すのはいい。ごめんと謝るのも、まあいい。

心を病まなかったのなんか奇跡だ。


でも、悪徳商法に引っかかるのはいただけない……!


二人のお金を使うのは構わない。わたしはもう使えないんだから、蛍が好きなことに使ってくれていい。


でも、でもだよ。


大枚をはたくのは構わないけど、この資金は二人で話し合って、将来のために貯めたお金だ。

幸せのために貯めたお金だ。


子どもほしいねって、じゃあちゃんと考えなきゃねって——今はもう叶わないけど、それでも。


幸せに暮らしたくて貯めたお金を、蛍がつらくなる嘘しか言わない詐欺師たちに渡してほしくない。