お気に入り同期と恋人ごっこ



しばらくすると奥野さんは戻ってきた。


「もしかしてもう終わった?」


「どこかで見てたんですか?
グットタイミングで帰って来たよね
今やっと 終わったところ」


奥野さんはそれでも(あっそう・・・)
と言いたげにしていた。


「ここへ座れ!」


「はぁ?休んでる暇ないけど!
昼までにスポーツジム行かなきゃ」


「いいから座れ!」


「もーーーいったい何!」


指定されたところに座るあたし。


すると あたしのスカートを太ももの付近まで
捲ったのだ。


決して細くないあたしの足
見られると恥ずかしい。


「ちょっと・・・あの・・・」


「怪我してるじゃないか」


医務室から貰ってきたという消毒を取りだし
怪我をしている膝の少し上の部分に塗って
治療をしてくれたのだ。


気づいてたんだ・・・
それで取りに行ってくれたんだ
やっぱり優しい。


「あ・・・ありがと」


「それから」


そういうとあたしの顎をもち上を向かせた。


え・・・このシチュエーションは・・・
あたしのドキドキ感MAX。


近い近い・・・
わっ!あと数センチ・・・。


「ほらここも!
顔に傷が残ると嫁に行けなくなるぞ」



・・・・・顔もケガしてたのか。


一瞬でもキスされると思ったあたし
超恥ずかしい。


「なにゆでタコ見たいになってんだよ」


「だって・・・めっちゃ近いし」


「何を免疫ね- ウブなこと言ってんだよ
高校生じゃあるまいし」


「乙女と言ってください」


「はいはい終わり!行きますか」


そっと伝票に奥野と名前を付け足しておいた。