「えーっとぉー!ハーフパンツハーフパンツ
あった!!!
わっ!わぁーーーー!!!
キャ!!!」


ハーフパンツ入りの段ボールと共に
脚立から滑り落ちた。


さっき言われたばっかなのに
『可愛く』って・・・
その矢先豪快に脚立から
落ちるなんて最悪。


「何やってんだよ!
ほら!」


さりげなく右手を出す奥野さん。


そんな優しいところに
あたしは惚れたんだなぁ。


「ありがとう」


その右手を取るあたし
なんだか調子が狂っちゃう。


「大丈夫か?」


「うん・・・
ちょっと痛いけどなんとか・・・」


「お前じゃなくて商品!」


「!!!大丈夫ですっ!!!」


さっきは工藤さんに『大丈夫?』とか言って
あたしの方が完璧痛い目に合ってるのに
体じゃなくて商品の心配?


この差は何?
もう少し女として扱ってほしいよね。


足・・・青痣になってるし
血・・・出てるし。。。



「ねぇ バスケット用は23着あったけど
そっちのサッカー用はどう?」


奥野さんの方に向きを変えて尋ねると


「・・・・・
あ・・・サッカーね・・・ちょい数えてて」


と言って倉庫から出て行った。


嘘でしょ?
途中投げとか・・・信じらんない。


伝票に在庫の数を書きながら確認名を上野と
いかにも【自分だけやりました】アピールをするあたし
絶対連名にしてやんないから。