2本目の缶を開けても全然酔えない。


「酔っぱらいたいのに酔えない!」


「もうやめたら?飲むの」


「酔いたいの!」


「結構酔ってますけど?あなた!」


そんなときだった。


あたしの携帯が鳴ったのだ。


「うそっ・・・」


相手は奥野さんだった。


「誰?」


「話題の人
何だろ?」


「貸しなさい!あんた出ない方がいい」


あたしから携帯を取り上げ
『もしもし!』と恵夢が電話に出た。


「あ・・・今あたしんちに居て
えっ?寝てないですよ~
ちょっと飲んでて・・・
あっ・・・ちょっと待ってください」


恵夢はあたしに
「工藤さんから茶色の封筒を
預かってないか?って」
と 聞いてきた。


茶色の封筒・・・
あっ!!!忘れてた!!!


「恵夢ちょっと携帯貸して」


恵夢から携帯を貰って
「すみません!」と謝った。


「無責任なヤツだな!
どこやったんだよ」


「あたし・・・の・・・デスク」


「会社???
それでお前はそこで飲んでるって?
最悪だな」


「ごめん・・・すぐに届ける
奥野さんどこ?」


「いいわ!オレが行く方が早いし!
無責任なヤツに会いたくもねーわ」


謝るまもなく携帯は切られた。