6. 眠れないね どうしても1人では眠りにつけない夜がある。 そういう夜に限って、ノロノロと長くて遅い時間の流れに入ってしまい、その中に1人取り残されてしまう。 寝る前に読んだ小説の続きが気になるとか、明日の予定にそわそわするとか、そんな単純なことではない。 目をつむって視界は闇へと消えて、脳だけが働き出しあれこれと考える。そろそろ考えも尽きて来たなというその時、急に無が襲ってくるのだ。